顕微鏡は使用目的によって、偏光顕微鏡、位相差顕微鏡、金属顕微鏡、電子顕微鏡などがありますが、ミザールでは一般的な生物顕微鏡と双眼実体顕微鏡を扱っています。
望遠鏡の倍率は割り算(対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離)で求められますが、顕微鏡のそれは掛け算です。
20倍の対物レンズと10倍の接眼レンズで観察すると、20×10=200倍になります。
※ご注意
当社顕微鏡では金属表面組織の観察は出来ません。
ロバ-トフックの顕微鏡
顕微鏡の発見も望遠鏡と同じように偶然の結果から得られたようです。世界で最初の顕微鏡は1590年頃、オランダの眼鏡師ザハリヤス・ヤンセンとハンス・ヤンセンの親子によるものとされています。長さが約50cmと大きなものでした。
ガリレオ・ガリレイは望遠鏡を作った翌年の1610年には望遠鏡を拡大鏡に変用しています。
1625年には眼鏡師のショーレがガリレオと同じく望遠鏡の変用によりダニの研究をしたとの記述があります。
またこの拡大鏡をマイクロスコープ(顕微鏡)と名づけたのはジョバンニ・フェーバーで1625年のことです。
その後改良が進み、イギリスのロバート・フックにより現在の顕微鏡の原型が形作られました。フックは科学者で生物学の研究を続け、後に細胞の発見により、17世紀の生物学は天文学同様に大いに発展しました。
1691年ボナンヌフにより透過光で見る装置の発見、ついで1716年ハンテルによって集光に初めて反射鏡を使用するようになりました。
19世紀に入って液浸装置の発明、アッペによって顕微鏡における様々な光学理論の研究により長足の進歩ををとげ、1904年のにはドイツのケラーによる紫外線顕微鏡の発明と続きました。
さらに1938年頃から光の替わりに電子を使う電子顕微鏡が考えられ、過去には想像もつかなかった10万倍の拡大率得ることに成功しました。
フィルム式のカメラを使った顕微鏡撮影では露出やシャッタースピード、光源等を微妙に調節しながらシャッターを切る必要がありましたので、良い写真をとるにはそれなりの技量を必要としました。
しかし撮影結果をすぐに確認できるデジタル一眼レフカメラを使えば簡単に顕微鏡写真を撮ることができます。
こちらの写真は、一眼レフカメラを使い蜂の羽根を約40倍で撮影した画像です。
デジタル一眼レフカメラを使って顕微鏡撮影をする場合には顕微鏡用カメラアダプターとカメラのメーカー別のTマウントが必要です。
一眼レフカメラからレンズ部分を取り外し、代わりにTマウントを接続します。
顕微鏡はしっかりした台の上に置き、一旦接眼レンズを外しておきます。
留めネジをゆるめ、カメラアダプターを顕微鏡の鏡筒にかぶせます。
次に接眼レンズを所定の位置に差し込みます。
作業性が悪い時には、カメラアダプターの延長チューブ部分を取り外してから接眼レンズを差し込むと楽に作業が行えます。
プランクトン 40倍
カボチャの花粉 400倍
次にカメラ本体をカメラアダプターに接続します。
カメラの向きを整えた後、留めネジを締めて固定します。
光源を用意します。光が広がらない懐中電灯やマグライトなどが最適です。光を反射ミラーで反射させ対物レンズに光が上手く入るよう調節します。
撮影するプレパラートを顕微鏡にセットします。最初は低い倍率の対物レンズを選択すると楽にピント合わせができます。
カメラのモニターを見ながらピントを合わせます。最初は粗動ハンドルで大まかにピントを合わせ、さらに微動ハンドルで正確にピントを合わせてください。
円板絞りを回して光量を調節し、モニターの明るさやコントラストが最良になるようにしてください。シャッターはセルフタイマーを使って切ることをお勧めします。